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※ロックオン@ライルとCBに合流したアレルヤが出会ったシーン妄想捏造
本編が追いついたら削除するかも
四年前に世間を騒がせた、私設武装組織ソレスタル・ビーイング。
名前こそ知っていたし、あの当時のニュースはつぶさに観察はしていたが―――それに兄が関わっていたというのは、かの組織の人間だという男の話で初めて知った。
コードネーム【ロックオン・ストラトス】
本名:ニール・ディランディ。戦闘後、行方不明。
兄に次いで「ロックオン・ストラトス」の名を得たライルは、データベースで真偽を確認して僅かに肩を落とす。
死亡、とはっきりは書かれていないが、まず間違いなく生きてはいないだろう。
…死体が見つかっていないというあたりで希望を持ちたくなるものの、過大な期待はより癒えない傷を負うことにもなりかねない。
だから、兄は死んだのだと決めることにした。
(…墓に、名前を追加しないとな)
ディランディ家の墓標は、これで四人。
五人家族だったというのに、今では正真正銘、自分ひとりだ。
いつの間にか姿をくらました兄が健在であるはずだ、と信じることで孤独を誤魔化してきたために、ライルは急に降って湧いた天涯孤独という言葉が受け入れきれないでいた。
彼は、何を思ってこの組織に身を寄せたのだろう。
双子とはいえ考え方に相違のあった兄は、自分との衝突を避けるためか、何事も全て終えてから語る傾向にあった。
だからきっと、ソレスタル・ビーイングでの戦いが終わってから、自分に語るつもりでいたのだろう。
しかし、その話を聞くことはもうかなわない。
「あ…ロック、オン」
廊下でばったり出会った、まだ年若いといえる少女――表情の大人っぽさで、最初は随分年齢を読み間違えた彼女、フェルトが、つまった風な調子でライルを呼んだ。
兄とは親しかったという彼女だ、きっと、皆が似ているというこの顔を見て、兄を思い出してしまっているのだろう。
しかし、そんな事には気づいていないとでもいうように、ライル―――ロックオンは、にっと笑って「どうした?」と声をかける。
彼女は、それで余計に自分に悪いと感じたのだろう、ばつの悪そうな顔で、ぎこちないながらもなんとか笑みを返した。
「もうすぐ、ミーティングが始まると思います。アレルヤも着替え終わったみたいだし」
「了解。ありがとな」
軽く手をあげると、そこでようやく彼女は自然な笑みを浮かべ、元の進行方向へと視線を戻す。
彼女の向かう方向はブリッジがあったはずだから、きっとこれから情報整理だのなんだのという作業があるのだろう。
(…アレルヤ、ね)
先ほど彼女が言ったアレルヤとは、確か先ほど救出されたばかりのガンダムマイスターだ。
随分ひどい状態だったから、回復には少なくとも何日かかかると思っていたのだが、思いのほか頑丈な男らしい。
四年前から外見が変わらないというティエリアといい、年齢の割に落ち着き過ぎている刹那といい、ガンダムマイスターというのは随分風変わりな面子が揃うようだ。
そういう論理でいけば、自分も風変わりという事なのだろうか―――そんな事を考えながら角を曲がると、件のガンダムマイスター・アレルヤがこちらに向かってくるのが見えた。
ハロのデータベースにあったので、ロックオンは「はじめまして」という気はしなかったのだが、一応初対面だから、と歩を止める。
「よう」
ロックオンと同じく足を止めたアレルヤは、それまで床に落としていた視線を初めてロックオンへと向けた。
顔を上げたアレルヤの、不ぞろいな黒髪の隙間から覗いた金茶と銀灰のオッド・アイに、ロックオンは一瞬だけ吃驚する。
しかし、アレルヤの方はロックオンを見ても、驚きすらしない。
ソレスタル・ビーイングに来てからというもの、驚かれずに顔を見られるということはなかったロックオンは、その反応にも驚かされた。
「はじめまして、だよね。僕は―――」
「ああ、ハロのデータベースで確認済みだ。アレルヤ・ハプティズムだろう?これから、よろしくな」
「こちらこそ」
何年も拘束されていたとは思えないしっかりとした口調で応じると、アレルヤはふわりと笑い返す。
玲瓏な印象の強かった顔は笑った途端に柔らかくなり、その大きな変化にロックオンは僅かに動揺した。
「お前は驚かないんだな。皆、俺が兄さんに似ているから驚くんだが」
「刹那から聞いていたし、あなたはお兄さんとは印象が違うからね」
お兄さん、と言った時だけ、アレルヤの表情に一瞬だけ変化が生じた。
しかし、それは本当に一瞬だけの話で、その後は先ほどと同じ笑みが顔へと張り付く。
データベースを見る限りでは兄とそこそこに仲が良かったはずの彼の中には、一体何が残されているのだろう。
「兄さんは、どうだったんだ?」
兄の残していった人の中に残る「ロックオン記憶」というものに初めて興味が沸いて、つい、禁句と分かっていながらアレルヤに質問をした。
質問を理解した途端にアレルヤは目を丸くして、次に困ったような笑みを浮かべる。
「どう、って言われても…言葉ではうまく説明できないよ」
「たとえば、兄さんの方が穏やかそうだった、とか」
「……もしかして、あなたはあまり彼とは一緒にいなかった?」
言葉を少し外してしまったらしい。
ロックオンのセリフに違和感を覚えたらしいアレルヤが、質問を返してきた。
彼の指摘が図星だったロックオンは、素直にそれを肯定する。
「穏やかなのは表面だけで、彼の内面はとても激しかったよ。あなたがカタロンに向かったのと同じような気持ちで、ここにいたのかもしれない」
「…」
「印象は違うけど、あなたも彼も、内面は似ていると思う」
うまくいえなくてごめんなさい、と律儀に謝って、アレルヤはやはり困ったように眉を寄せて笑ってみせた。
いつもなら双子というだけで似ていると言う他人に腹を立てるのだが、アレルヤのその言い回しには不思議と腹が立たない。
自分の気持ちに何か不思議なものを感じて、ロックオンはただ曖昧に相槌をうつことしかできなかった。
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書かないと落ち着かなかったので書いてみた。
本編はきっと全然違う展開になると思うんだけど、こうだったらいいなーな妄想。
でも書き足りない…!
もっとなんかこう、あー!な気持ちを表現したいのに語彙がなさすぎて表現できてない
消す気がなければ、手直ししてMainにUPします
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