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※ハロハレのつもりですが概ねハロ&ハレのあほトーク(↓)
――――――地球の時間帯でいえば、いわゆる「夕食時間」を僅かに過ぎた頃。
もしその場が重力下であったなら、どか、という音がぴったりであろう所作で同僚の私室のドアを蹴り開ける者がいた。
壁にあるタッチパネルを操作して開閉する一般的な扉だというのに、蹴りを入れた男はそんなタイム・ラグさえ許せなかったのだろう、やけにイライラとした様子で開いた扉の中…つまり、部屋を見回す。
そこに目標物が存在していないことを確認するなり、自分の部屋のように慣れた様子で部屋へと踏み入ると、低重力でその場に浮遊しつつ飛んでいたボールのような形状のAIを掴んだ。
大きさからして、本来なら片手でつかめるようなものではないのだが、彼の手のひらはそれなりに大きいため、まるでバスケットボールを手の平を目一杯広げて掴む選手のように掴めている。
しかし、そんな事はどうでもいいらしい男―――ハレルヤは、金茶の鋭い目でAIを睨みつけた。
「おい、オレンジ玉」
元が高くて穏やかな声なものだから、当然顔以外にあまり迫力はない。
だが、AIを掴む腕には結構な力が入っているのでギリギリと軋んだ音を立てていた。
それでも、どういうわけだかAIは身の危険を感じていないらしく、暢気に瞳を明滅させて緊張感のない声で『アー』と声を上げる。
「騒ぐんじゃねぇ。それより、あのヤローはどこに行った?」
『ハロ オレンジダマジャナイ ハロ!』
「てめーなんざオレンジ玉で十分だ」
『ハロ ナマエ ナマエ』
華麗に無視を決め込んで用件だけを尋ねたが、当然AI…もとい、ハロは断固として主張を続けた。
そのしつこさで、どうやら名前を呼ばなければ一切回答する気がないらしいことを悟ったハレルヤは、渋々といった感じでAIを見やる。
「…あー!分かった、分かった!!ハロ、で、テメーの相棒はどこだ」
『ナマエ ナマエ』
「…ロックオン!ロックオン・ストラトスだよ!!」
アレルヤの頼みで、どうしてもこの部屋の主であるロックオンから彼の愛読している専門雑誌を借りなければならないのだ。
たまたま入れ替わってしまって、この際だから久しぶりの自由を堪能したいと主張したハレルヤに、アレルヤが「それじゃあ」といつになく強く主張した願いだったので―――さすがのハレルヤも無視できない。
だから、ハレルヤはハロを床に叩き付けたい衝動にかられたものの、すんでの所で耐えてハロの要求に応じた。
別に投げつけても良かったのだが、この低重力ではろくな加速度もつかず、大した衝撃にならないのだ。
それなら、今度地球に下りた際に海に向かって遠投でもしてやった方がずっとすっきりするだろう。
そんな物騒な計画を練りながら笑う彼の表情は、AIたるハロから見てもかなり不気味だった。
「おい、要求に応じたんだからさっさと教えろオレンジ玉!」
『ハレルヤ ランボウヨクナイ!』
いつまで経っても答えないハロに痺れを切らしたハレルヤが、先ほどの不気味な笑みをいきなり引っ込めて激昂するものだから、ハロは宥めつつその手から逃れる。
あっさりと逃げられてしまったことに一瞬驚いたハレルヤだったが、すぐに気を取り直して部屋の隅に逃げようとするハロへとにじり寄っていった。
が。
「あれ、珍しいな。ハレルヤか?」
あと2、3歩で射程距離に入る、というタイミングで部屋の主でありハレルヤの探し人であったロックオンが戻ってきて、ハレルヤはハロを捕らえようとしていた体勢のまま、ロックオンを凝視する。
当然今までのやりとりを知らないロックオンは、ハレルヤがハロと戯れていたようにしか見えなくて、頭上には大量の疑問符が湧いている様子だった。
「……………てめ」
それからすぐにAIへと視線を戻して睨みつけると、『ロックオン ロックオン』と言いながらすぐにハレルヤの捕獲範囲から素早く離脱してしまって―――ハレルヤの手は行く先を失ってしまった。
ハレルヤに残ったのは、ハロの要求ばかり飲まされたという、言いようのない不快感だけ。
行き場を失った怒りと理不尽さでハレルヤの肩はプルプルと震えだし、ついには目の前の男の胸倉を掴み上げた。
「てめーはどういう教育をしてんだ!あぁ!?」
「は!?いきなり何を言い出すんだお前は」
上手い具合に相棒の影に隠れてしまったハロの主に当たる事しかできなかったハレルヤは、言いたいことだけ言ってしまうと、最初の用件すら忘れてさっさと部屋を出て行ってしまう。
しかし、当然それが許される筈もなく、頭の中で響くアレルヤの叱責により、彼は仕方なしといわんばかりの様子で、三時間後再びロックオンの部屋のドアを蹴ることになった。
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これでもハロハレと主張しておく(笑)
拍手でハロハレをオススメしてもらったので、試しに書いてみました
意外にハレルヤが可愛くなるので自分でもびっくりです!
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